軒高が7mを超えると、リフォームしなくても近隣から「日照妨害」として訴えられるリスクがあります。
「軒高(のきだか)」は、建築基準法施行令第2条第1項第7号に定められた用語で、地盤面から建築物の小屋組(屋根を支える骨組み)またはこれに代わる横架材を支持する壁・敷げた・柱の上端までの高さを指します 。住宅の屋根が始まる直前の高さ、と覚えると分かりやすいです。 token.co(https://www.token.co.jp/estate/useful/archipedia/word.php?jid=00015&wid=40429&wdid=01)
構造種別によって測定基準が異なります。木造住宅では地盤面から軒桁(のきげた)の上端まで、鉄筋コンクリート(RC)造では地盤面から最上階の梁(はり)の上端までが軒高となります 。 homes.co(https://www.homes.co.jp/cont/buy_kodate/buy_kodate_00045/)
計算式はシンプルです。「軒高 = 軒先の高さ−地盤面の高さ」で求められます 。地盤面が傾斜地の場合は平均地盤面を基準に計算するため、建築士への確認が必要になるケースもあります。 aippearnet(https://aippearnet.com/column/glossary/eaves/)
| 構造 | 軒高の測定基準点 |
|---|---|
| 木造住宅 | 地盤面 → 軒桁の上端 |
| 鉄筋コンクリート造(RC) | 地盤面 → 最上階の梁の上端 |
| 片流れ屋根 | 高い方の軒の高さを採用 |
軒高は「建物全体の高さ(最高高さ)」とは違います。最高高さは棟(むね)の頂点まで含みますが、軒高は屋根本体が始まる部分より下の高さです。つまり同じ総高でも、急勾配の屋根ほど軒高は低くなる傾向があります。これが原則です。
多くのリフォームオーナーは「外観を変えないなら規制は関係ない」と思いがちですが、実は増築や屋根の葺き替えで軒高が変化すると、日影規制の対象になるかどうかが変わります。これは見落としやすい落とし穴です。
日影規制とは、冬至の日(12月22日ごろ)に隣地へ一定時間以上の日影を生じさせる建物の高さを制限する規制です 。第一種・第二種低層住居専用地域および田園住居地域において、軒高が7mを超えるか、階数が地階を除いて3以上の場合に適用されます 。 epcot.co(https://www.epcot.co.jp/tenkuritu/hikage.php)
ki-bo-baikyaku(https://ki-bo-baikyaku.jp/blog/20230125-4941/)
リフォームで屋根を高くして軒高が7mを超えた途端、隣家への日照被害を生じさせる可能性が出てきます。痛いですね。近隣トラブルに発展する前に、設計段階での確認が不可欠です。
参考:日影規制の基礎知識(RENOSY マガジン)
https://www.renosy.com/magazine/words/53
木造住宅で軒高9mを超えると、防火上の規制が大きく変わります。建築基準法第21条に基づき、主要構造部(柱・梁・壁・床・屋根など)を耐火構造にする義務が生じるか、一定の防火上の基準を満たす必要があります 。 decos.co(https://www.decos.co.jp/wp-content/uploads/bouka_kaisetu2.pdf)
具体的には次のいずれかの対応が必要です。
decos.co(https://www.decos.co.jp/wp-content/uploads/bouka_kaisetu2.pdf)
decos.co(https://www.decos.co.jp/wp-content/uploads/bouka_kaisetu2.pdf)
つまり9mが条件です。一般的な2階建て住宅の軒高は2.4m〜2.7m程度が標準で、9mというとおよそ3〜4階建てに相当します。通常のリフォームでは超えることは稀ですが、用途変更を伴うリノベーションでは注意が必要です。
なお、2025年4月施行の建築基準法改正により、従来「高さ13m・軒高9m超」が詳細構造計算の要件でしたが、改正後は「3階以下・高さ16m以下」までの木造建築物は簡易な構造計算で建築可能になりました 。リフォームの制約が若干緩和された部分もあります。 note(https://note.com/epcot/n/n2b747d8c51b9)
参考:2025年建築基準法改正の概要(note / 生活産業研究所)
https://note.com/epcot/n/n2b747d8c51b9
2025年4月に施行された建築基準法改正は、リフォームを行う際の確認申請にも大きな影響を与えています。意外ですね。従来は「4号特例」として2階建て木造戸建てのリフォームには確認申請が不要なケースが多かったのですが、この特例が縮小されました 。 shinko-web(https://www.shinko-web.jp/series/17366/)
大規模なリフォームの定義(建築基準法上の「大規模の修繕・模様替」)は、主要構造部(柱・梁・壁・床・屋根・階段)の1種以上について過半(50%超)を改修する工事です 。こうした工事を延床面積100㎡超の建物で行う場合、建築士による設計・工事監理が必須となりました。 shinko-web(https://www.shinko-web.jp/series/17366/)
shinko-web(https://www.shinko-web.jp/series/17366/)
軒高を変えるような大規模リフォームは、必ず事前に建築士や行政窓口への相談が必要です。これが条件です。確認申請を怠った場合、工事が違法建築と判断され、是正命令や撤去命令が下されるリスクがあります。
参考:住宅リフォームと確認申請の要否(建設業しんこうWeb)
https://www.shinko-web.jp/series/17366/
軒高というと「規制」の文脈で語られることが多いですが、実はリフォームにおける生活快適性・省エネ効率の向上にも直結します。これは使えそうです。
一般的な住宅の軒高は2.4m〜2.8m程度ですが、これを2.7〜3.0mに高くするリフォーム(天井高アップ)を行うと、部屋の開放感が大きく変わります。天井高が2.4mと2.7mでは体感が全然違う、というのは多くのリフォーム経験者が感じる事実です。
ただし軒高を上げることは、同時に空調効率にも影響します。
省エネ基準の適合義務化(2025年施行)により、リフォームにおいても断熱・省エネ性能が厳しく問われるようになりました 。軒高を変えるリフォームでは、断熱改修をセットで計画することが重要です。結論はセット計画が原則です。 note(https://note.com/epcot/n/n2b747d8c51b9)
断熱リフォームの補助金制度として、「子育てエコホーム支援事業」や「先進的窓リノベ2025事業」などが活用できる場合があります。軒高の変更を伴うリフォームを検討する際は、これらの補助制度もあわせて確認しておくと、数十万円規模の費用削減につながることがあります。
参考:建築物の高さに関する制限の基本(住まいの知識)
https://www.e-a-site.com/knowledge/rules/height/
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