法人化した途端、赤字でも年間7万円の税金が必ずかかります。
一人親方とは、労働者を雇用せずに自分一人(または家族のみ)で建設業・林業・左官業などを請け負う個人事業主のことです。 建設業でいえば大工・電気工事士・塗装職人などが典型的な例で、日本全国に数十万人規模で存在しています。 vs-group(https://vs-group.jp/gyoseiss/gyosho/hitorioyakata/)
個人事業主と何が違うのかと思われることも多いのですが、一人親方には「労災保険の特別加入制度」という独自の仕組みがあります。 通常の個人事業主は労災保険に入れませんが、一人親方は特定の団体を通じることで加入できるのが大きな特徴です。 hitorioyakata.or(https://hitorioyakata.or.jp/blog/120)
一方、法人(株式会社・合同会社など)は国の登記簿に公的に登録された「別人格」を持つ組織体です。 個人事業主である一人親方が法人化するとは、今まで「自分=事業」だった状態を、「自分≠会社」という分離した形に切り替えることを意味します。これが一人親方と法人の最も根本的な違いです。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
| 項目 | 一人親方(個人事業主) | 法人(株式会社・合同会社) |
|---|---|---|
| 税金の種類 | 所得税(累進課税) | 法人税(15%・23.2%) |
| 社会保険 | 国民健康保険・国民年金 | 健康保険・厚生年金(加入義務) |
| 設立費用 | ほぼ0円 | 最低24万円〜(株式会社の場合) |
| 赤字時の税負担 | 所得税・住民税なし | 法人住民税年7万円が必ず発生 |
| 賠償責任 | 無制限(全財産が対象) | 有限(出資額の範囲内) |
| 社会的信用 | 比較的低い | 高い(登記で実態が証明される) |
リフォーム工事を依頼する施主の立場から見ると、一人親方でも法人でも工事の品質は職人の腕次第です。ただし大規模なリフォームや住宅会社との連携工事では、法人でないと取引できないケースもあります。 biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/establish/basic/51862/)
法人化の目安として最も有名なのが「売上1,000万円」です。これは消費税の免税制度と関係しています。 osakacpa(https://osakacpa.com/oyakata-hojinka/)
個人事業主は前々年の売上が1,000万円以下であれば消費税が免除されます。しかし売上が1,000万円を超えると、2年後から消費税の納付義務が生じます。ここで法人化すると「消費税の免税カウント」が2年間リセットされます。つまり最低でも2年間、消費税の支払いを先送りできるのです。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
売上1,000万円の場合、消費税の目安は約50万円。2年間で最大100万円以上の節税になります。これは大きいですね。
もう一つの目安が「所得800万〜900万円超」です。rousai-hoken.jp 個人事業主の所得税は累進課税で、所得900万円を超えると税率33%が適用されます。一方、法人税は最大でも23.2%です。税率が約10%も違うため、所得が高いほど法人化した方が有利になります。 osakacpa(https://osakacpa.com/oyakata-hojinka/)
📌 具体的な数字でイメージしてみましょう。
- 所得1,000万円の個人事業主 → 所得税率33%で約230万円超の税負担
- 同じ1,000万円を法人で稼いだ場合 → 法人税23.2%で約170万円台
- 差額は年間60万円以上
この差を知ると、法人化の魅力が実感できます。ただし社会保険料(月給の約15%が会社負担)や税理士報酬(年間10〜25万円が相場)なども加わるため、単純な比較はできません。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
事業を拡大したいタイミングも、法人化を検討する理由になります。大手住宅メーカーや元請け業者は取引相手を法人に限定しているケースがあり、法人化することで受注の幅が大きく広がります。 freee.co(https://www.freee.co.jp/kb/kb-launch/incorporation-of-single-master/)
法人化の主なメリットを5つ整理します。知っていると得する内容が多いので、一つずつ確認してみましょう。
① 税負担が軽くなる(所得900万円以上が条件)
所得税の最高税率は45%(住民税を加えると55%超)ですが、法人税の最高税率は23.2%です。 所得が一定額を超えると、圧倒的に法人化の方が有利になります。累進課税という仕組みを理解しておけばOKです。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
② 経費にできる範囲が広がる
法人化後は役員報酬・退職金・家族への給与・法人保険・社宅家賃など、個人事業主では経費にできなかったものが経費計上できます。 役員報酬は毎月発生するため、節税効果が非常に高い経費です。法人の利益を圧縮できれば、それだけ税金が減ります。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
③ 社会的信用が高まり、受注が増える
法人は国の登記簿に情報が公開されるため、取引先や金融機関から信頼されやすくなります。 リフォーム業界では、住宅メーカーや工務店との下請け契約で「法人のみ」と指定されるケースがあります。信用力の強化が受注拡大に直結するのです。 sharoushi-cloud(https://sharoushi-cloud.com/blog/column/play4-oyakatahoujin/)
④ 賠償責任の範囲が有限になる
個人事業主は事業で負債を抱えると、自宅や個人財産まで返済・賠償の対象になります。法人は出資額の範囲内に責任が限定されます。 万が一のトラブル時のリスク管理として、法人化は有効な手段です。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
⑤ 決算日を自由に設定できる
個人事業主の確定申告は毎年2〜3月と固定されています。法人は決算日を自由に選べるため、繁忙期を避けて会計処理ができます。 建設業・リフォーム業は年末年度末に工事が集中しがちなので、決算期をずらすことで業務効率が上がります。 freee.co(https://www.freee.co.jp/kb/kb-launch/incorporation-of-single-master/)
法人化はメリットだけではありません。厳しいところですね。代表的な5つのデメリットをしっかり押さえておきましょう。
❶ 設立に費用と手間がかかる
株式会社の設立には、定款認証5万円+登録免許税15万円など、最低でも24万円程度かかります。 合同会社であれば10万円前後で設立できますが、手続きの煩雑さは変わりません。司法書士への依頼費用も加わることがあります。 sharoushi-cloud(https://sharoushi-cloud.com/blog/column/play4-oyakatahoujin/)
❷ 赤字でも年7万円の法人住民税が発生する
個人事業主は赤字なら所得税・住民税ゼロです。しかし法人化すると、たとえ赤字であっても法人住民税として年間最低7万円の支払いが発生します。 これが冒頭で触れた「驚きの事実」です。売上が少ない段階での法人化は、固定費の増加につながりかねません。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
❸ 社会保険料の負担が重くなる
法人化すると健康保険・厚生年金への加入が義務になります。 保険料は月給の約30%(本人と会社で折半)で、一人親方が一人法人を設立した場合は実質的に全額自己負担と同じです。国民健康保険・国民年金より保険料が高くなるケースが多いため、注意が必要です。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
❹ 会計処理が複雑になる
法人決算は個人の確定申告より大幅に複雑です。税理士への依頼が実質的に必須となり、月2万円〜の顧問料が継続的にかかります。 年間の維持コストは確実に増えます。 sharoushi-cloud(https://sharoushi-cloud.com/blog/column/play4-oyakatahoujin/)
❺ 会社のお金を自由に使えなくなる
個人事業主なら売上の中から自由に生活費を使えました。しかし法人化後は、会社のお金=自分のお金ではありません。 役員報酬という正規の手続きを経なければ個人の収入にならないため、資金の自由度が大幅に下がります。これがストレスになる方も少なくありません。 sharoushi-cloud(https://sharoushi-cloud.com/blog/column/play4-oyakatahoujin/)
💡 後悔しないためのポイントは、「所得800万円を超えてから税理士に相談する」の1点に絞って覚えておけばOKです。
一人親方は法人化すべき?メリット・デメリットを徹底比較(一人親方労災保険組合)
建設業・リフォーム業で一人親方が法人化する流れは、一般的な法人化の手順に加えて「建設業許可の引継ぎ」という独自の手順が加わります。意外ですね。
法人化の主な流れ
1. 法人の種類を選ぶ(株式会社・合同会社が一般的)
2. 商号・本店所在地・資本金・決算期を決める
3. 定款を作成し公証役場で認証を受ける(費用5万円)
4. 資本金を発起人口座に払い込む
5. 法務局で設立登記を申請する(登録免許税15万円〜)
6. 税務署・年金事務所・都道府県税事務所へ各種届出を提出する
7. 法人口座を開設する(審査に10〜14日程度かかる)
8. 個人の資産・契約名義を法人に移行する
office-kitaura(https://www.office-kitaura.com/blog/1080/)
建設業許可の引継ぎについて
2020年10月の建設業法改正により、個人事業主として取得した建設業許可を新しい法人に引き継ぐことができるようになりました。 以前はいったん許可が失効し、再取得まで工事請負ができない「ブランク期間」が生じる問題がありましたが、現在はこれが解消されています。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
なお、建設業許可を取得・維持するためには資本金500万円以上、または500万円以上の自己資本が必要です。 資本金が500万円以上あれば、別途資産証明書類の添付が不要になるため、手続きが簡略化されます。リフォーム業で法人化を考えるなら、資本金500万円を目安に準備しましょう。 office-kitaura(https://www.office-kitaura.com/blog/1080/)
建設国保(建設業従事者向けの国民健康保険組合)に加入している一人親方は、法人化後もそのまま継続することができます。 建設国保は会社負担分の保険料がかからないため、協会けんぽより有利になるケースがあります。この点は法人化前に必ず確認してください。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
一人親方から法人化する具体的な手順・建設業許可の取得方法(行政書士事務所)
これはあまり知られていない独自視点の話です。一人親方と法人を調べていくと、「偽装一人親方」という問題が浮かび上がってきます。
偽装一人親方とは、本来は会社に雇われた従業員なのに、一人親方(個人事業主)として扱われている状態のことです。 会社側が社会保険料や雇用保険の負担を回避するために、あえて労働者を「個人事業主」として契約させるケースがあります。 biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/construction/basic/68186/)
この状態は法的リスクをはらんでいます。具体的には次のような問題が生じます。
- 本来加入できるはずの雇用保険・労災保険(通常の労働者向け)に入れない
- 仕事中にけがをしても、通常の労災補償を受けられない可能性がある
- 会社側は社会保険未加入として行政指導・罰則の対象になる
biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/construction/basic/68186/)
リフォーム工事を依頼する施主の立場でも、この問題は無関係ではありません。偽装一人親方が現場でけがをした場合、施工会社との間でトラブルに発展することもあります。工事を依頼する際は、業者が適切な雇用形態を保っているか、一人親方であれば労災保険に特別加入しているかを確認することが重要です。
近年、厚生労働省は社会保険の未加入に対する取り締まりを強化しており、指導・罰則(懲役や罰金)の対象となるケースも増えています。 「知らなかった」では済まされない状況になってきているため、一人親方本人も依頼する側も最新の情報を把握しておく必要があります。 rousai-hoken(https://rousai-hoken.jp/column/5831)
偽装一人親方の問題点・見分け方と適切な対応方法(MoneyForward)