ビル管法とは対象となるビル検査項目など基本知識を解説

ビル管法(建築物衛生法)とは何か、対象となる特定建築物の要件から検査項目まで基本知識をわかりやすく解説。リフォームや管理を検討中の方が知っておくべきポイントとは?

ビル管法とは対象となるビル・検査項目など基本知識を簡潔に解説

実はマンションや病院はビル管法の対象外で、届出を怠ると30万円以下の罰金が科されます。


ビル管法の基本まとめ
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対象は「特定建築物」

延べ床面積3,000㎡以上(学校は8,000㎡以上)で、不特定多数が利用する興行場・百貨店・事務所・旅館などが対象。

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検査は5項目が義務

空気環境・給水・排水・清掃・ねずみ害虫防除の5項目が法定管理基準。頻度や測定値の基準が細かく定められている。

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2022年に改正済み

令和4年4月改正でCO基準値が100万分の10→6へ強化。兼任ルールも緩和され、管理技術者1人が複数棟を担当しやすくなった。


ビル管法の正式名称と目的・制定の背景



ビル管法は「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」が正式名称です。 業界では「ビル管理法」「ビル衛生管理法」「建築物衛生法」とも呼ばれます。 呼び名が複数あるので混乱しがちですが、すべて同じ法律を指しています。 to-wa(https://www.to-wa.info/contents/3015/)


制定は1970年(昭和45年)です。 高度経済成長とともに高層ビルが急増し、建物内の衛生環境が社会問題になりはじめた時代に生まれました。大勢の人が密閉空間で長時間を過ごすようになったことで、空気・水・清潔さのすべてを法律で担保する必要が出てきたのです。 builpo(https://builpo.jp/reiwa-4)


法律の目的は「公衆衛生の向上と増進」です。
建物内の空気・飲料水・衛生状態の悪化を防ぎ、利用者が健康かつ快適に過ごせる環境を確保することが主眼に置かれています。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


この法律の義務を負うのは建物の所有者だけではありません。 建物を借りて使用している人や会社、管理を委任されている人も対象になります。つまりリフォーム後にビルをテナントとして使用する場合も、延べ床面積と用途によっては管理義務が発生するケースがあります。これが意外と見落とされがちなポイントです。 builpo(https://builpo.jp/reiwa-4)


ビル管法の対象となるビル(特定建築物)の要件と面積基準

対象となる建物を「特定建築物」といいます。 特定建築物は用途と延べ床面積の2つの条件を同時に満たしたときに該当します。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


延べ床面積3,000㎡以上が基本条件です。
一般的なコンビニ1店舗が約100〜200㎡程度であることを考えると、3,000㎡はコンビニ約20店分を1棟に詰め込んだ広さのイメージです。 builpo(https://builpo.jp/reiwa-4)


対象となる用途は以下のとおりです。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)



  • 興行場(映画館・劇場)

  • 百貨店・店舗

  • 集会場・図書館・博物館・美術館・遊技場

  • 旅館・ホテル

  • 事務所(オフィスビル)

  • 学校(研修所含む)※学校のみ8,000㎡以上が条件


学校だけが8,000㎡という別基準になっているのは、教育施設の特殊性を考慮したためです。 東京の公立小学校の平均的な延べ床面積はおよそ4,000〜5,000㎡程度で、8,000㎡に届かない学校も少なくありません。 builpo(https://builpo.jp/reiwa-4)


対象外の建物も把握しておく必要があります。
マンションや病院、老人ホーム、工場は不特定多数が自由に出入りする施設ではないため、ビル管法の対象外です。 「大きな建物だからすべて対象」と思い込むと判断ミスにつながります。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


令和2年時点では全国で47,273棟が特定建築物に該当しており、そのうち最多は「事務所(オフィスビル)」の19,302棟、次いで「店舗」が10,144棟です。 builpo(https://builpo.jp/reiwa-4)


参考:特定建築物の定義・対象用途の詳細(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei10/


ビル管法の検査項目一覧と実施頻度の目安

ビル管法で定められた管理基準は5項目です。 各項目には実施頻度と具体的な基準値が設けられており、それを守ることが義務付けられています。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)










項目 主な内容 実施頻度
🌬️ 空気環境の調整 温度・湿度・CO・CO₂・浮遊粉じん等の測定 2ヶ月以内ごとに1回
💧 給水の管理 飲料水の水質検査・貯水槽清掃・残留塩素確認 7日以内ごとに1回(残留塩素)、年1回(貯水槽清掃)
🚿 排水の管理 排水設備の清掃 6ヶ月以内ごとに1回
🧹 清掃 日常清掃+大掃除(建物全体) 大掃除は6ヶ月以内ごとに1回
🐀 ねずみ・害虫防除 生息・侵入状況の調査、防除措置 6ヶ月以内ごとに1回(調査)


空気環境の検査が「2ヶ月に1回」というのは、意外に頻繁に感じられるかもしれません。 これはオフィスや商業施設では常に多数の人が密集して利用するため、CO₂濃度や浮遊粉じんが急速に悪化しやすいからです。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


給水の残留塩素確認は「7日以内ごとに1回」と最も頻度が高い項目です。 飲料水の安全は健康被害に直結するため、このように厳しい頻度が設定されています。レジオネラ菌などの感染リスクを考えると、貯水槽清掃の年1回義務も当然の措置といえます。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


害虫防除は単に「駆除する」だけでなく、使用する薬剤が薬事法上の製造販売承認を得た医薬品または医薬部外品であることも義務付けられています。 市販の安価な殺虫剤を無計画に大量使用するのは、法律上も問題があります。これは注意が必要ですね。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


届出と管理技術者(ビル管理士)選任の義務

特定建築物に該当する建物の所有者・管理者は、建物の使用開始から1ヶ月以内に管轄の保健所を経由して届出を提出しなければなりません。 届出を怠ると建築物衛生法違反となります。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


届出の際に必ず行う必要があるのが「建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)」の選任です。 特定建築物1棟につき1人の選任が原則ですが、令和4年改正以降は一定の要件を確認したうえで1人が複数棟を兼任することも認められています。 birukan-sien(https://birukan-sien.com/legal-amendment/)


ビル管理士になるには国家試験か講習会の受講が必要です。
試験の受験資格には「空調設備や給排水設備の運転・保守管理業務の実務2年以上」が必要で、合格率は例年10〜20%程度と難関です。講習会ルートでは合計100時間以上の受講が求められます。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


届出事項(用途変更・延べ床面積変更など)に変更が生じた場合も、1ヶ月以内に届出の修正が必要です。 リフォームによって用途や延べ床面積が変わった場合は、特定建築物への該当・非該当が変わる可能性があります。大規模なリフォームを計画している場合は、工事着工前に管轄保健所への確認をおすすめします。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


参考:届出義務・建築物環境衛生管理技術者の選任についての解説(amcon)
https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/


令和4年改正と「リフォーム視点」で押さえておくべき注意点

2022年(令和4年)4月1日にビル管法の管理基準が改正されました。 改正の骨子は2点です。 builpo(https://builpo.jp/reiwa-4)



  • 🌡️ 室温の低温側基準:17℃ → 18℃に引き上げ

  • ☁️ 一酸化炭素(CO)含有率:100万分の10 → 100万分の6に強化


CO基準の強化は特に重要です。 大気中のCO濃度が改善されていることを受けた見直しですが、換気設備が古いビルや、リフォームで内壁を密閉化した際には基準値超えのリスクが高まります。リフォーム後は必ず空気環境測定を実施することが条件です。 builpo(https://builpo.jp/reiwa-4)


また、帳簿書類の電子保存が解禁されたのも改正点のひとつです。 紙の台帳をエクセルやクラウドで管理できるようになり、業務効率が大幅に改善されました。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


リフォームとビル管法の関係で見落としやすいのが「リフォームにより特定建築物の基準に新たに該当する場合」です。増築で延べ床面積が3,000㎡を超えた場合、従来は対象外だった建物がビル管法の対象に切り替わります。この場合、使用開始から1ヶ月以内に届出が必要となるため、リフォーム工事完了後のスケジュール管理が重要です。


一方、リフォームによって延べ床面積が3,000㎡を下回る場合は特定建築物でなくなります。その際も1ヶ月以内に届出内容の修正が求められます。 増床・減床どちらの場合も届出が必要ということですね。 amcon.co(https://www.amcon.co.jp/useful/use-maintenance/7968/)


空気環境基準の強化に対応するためには、換気設備のリフォームが有効な手段のひとつです。CO₂センサー付きの換気システムや全熱交換器の導入を検討する際は、ビル管法の基準値クリアを前提に設備選定を行うと、後から改修の必要が出なくて済みます。


参考:令和4年改正の詳細(builpo)
https://builpo.jp/reiwa-4






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