TIG溶接を「難しそう」と思っているなら、実は資格ゼロでも自宅で始められます。

TIG溶接は、「Tungsten Inert Gas(タングステン不活性ガス)」の頭文字を取った溶接方法です。 アーク溶接の一種で、タングステン電極から発生させたアーク(電気の放電)の熱で、金属母材そのものを溶かして接合します。 large-scale-plating(https://www.large-scale-plating.com/knowledge/tig%E6%BA%B6%E6%8E%A5%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F/)
特徴的なのは、電極として使うタングステンが「金属の中で最も融点が高い素材」だという点です。 タングステンの融点は約3,422℃。これはステンレスの融点(約1,400℃)の2倍以上です。だから高い熱を発生させても電極が溶けず、繰り返し使えるのです。 stainless-sheetmetal(https://stainless-sheetmetal.com/knowledge/tig%E6%BA%B6%E6%8E%A5%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F-%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%92%E8%A7%A3%E8%AA%AC/)
溶接部は「不活性ガス」でガスのカーテンのように覆われています。このガスが酸素・窒素などの外気を遮断し、金属の酸化を防ぎます。 これが「きれいな仕上がり」の秘密です。 keyence.co(https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure/welding/arc/tig.jsp)
つまり「電極でアークを作り、ガスで守り、棒で肉盛りする」が基本です。
リフォームやDIYで耳にする溶接方法は、TIG溶接以外にもアーク溶接・MIG溶接・CO2溶接があります。それぞれの違いを整理しておくと、どの場面でTIG溶接を選ぶべきかが見えてきます。
| 溶接方法 | 電極 | シールドガス | 仕上がり | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| TIG溶接 | タングステン(消耗しない) | アルゴン・ヘリウム(不活性) | ◎ 美しい | 薄板・精密・ステンレス |
| MIG溶接 | ワイヤー(消耗する) | 不活性ガス | 〇 良好 | アルミ・速度重視 |
| CO2溶接(半自動) | ワイヤー(消耗する) | 炭酸ガス | △ スパッタ多め | 鉄・厚板・スピード重視 |
| 被覆アーク溶接 | 溶接棒(消耗する) | なし(フラックスで保護) | △ 要仕上げ | 屋外・太い鉄材 |
施工単価だけで比較すると、TIG溶接はMIG溶接の1.5〜2倍程度になります。 しかしMIG溶接はスパッタ除去・ビード仕上げ・気密試験不合格時の補修コストがかさむため、トータルコストでは逆転するケースも多いです。 soken(https://soken.in/column/tig-mig-welding-difference/)
仕上がりの美しさが求められるリフォーム現場(手すり・アイアン家具・門扉など)では、TIG溶接が最適な選択です。
TIG溶接の作業手順を大まかに知っておくと、業者への依頼時にも話が通じやすくなります。手順は以下の通りです。 agency-assist.co(https://www.agency-assist.co.jp/column/13875/)
特に重要なのが、タングステン電極の先端と母材の距離です。 この間隔は2〜3mm(爪の厚さ3枚分ほど)が目安で、近づきすぎると電極先端が汚染・劣化します。 agency-assist.co(https://www.agency-assist.co.jp/column/13875/)
また、溶接棒をアークの真ん中に突っ込んでしまうと先端が焼けてしまいます。 棒は「溶融池の前縁にそっと差し込む」イメージが正解です。 maedagumi(https://maedagumi.net/archives/2040)
距離と棒の入れ方、この2点が基本です。
リフォームにおいてTIG溶接が活躍する代表的な場面を挙げます。
youtube(https://www.youtube.com/watch?v=QBh7V6a9kY0)
weltec(https://www.weltec.jp/feature/processing-tig-welding-thin.html)
youtube(https://www.youtube.com/watch?v=7DJjLKZaDJg)
keyence.co(https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure/welding/arc/tig.jsp)
注意点として、TIG溶接は「両手を使う作業」です。片手でトーチ、もう片手で溶接棒を持つため、最初は腕が安定しにくく感じます。 肘を軽く曲げてリラックスした姿勢を保つことが、ビードを安定させるコツです。 bankin-yousetsu(https://bankin-yousetsu.com/blog/c16)
また、室内での作業では十分な換気が必須です。アルゴンガス自体は無害ですが、金属ヒュームが発生するため、マスク・換気扇の使用は欠かせません。
薄板ほど熱が入りすぎると歪みが出やすいので注意に注意すれば大丈夫です。
「TIG溶接を始めるには資格がいるの?」という疑問を持つ方は多いです。結論から言えば、個人がプライベートでTIG溶接を行う場合、特に資格は必要ありません。 s-teck(https://s-teck.jp/blog/column/10/)
ただし、仕事として溶接工を目指す場合は話が変わります。業務で使うには「アーク溶接等の業務に係る特別教育」の受講が法的に義務づけられています。 さらに品質を証明するための「TIG溶接技能者」資格(基本級・専門級)があり、就職・受注の際に有利になります。 kozurukougyou(https://kozurukougyou.com/tig-welding-is-the-qualification-required-for-use-as-a-job)
s-teck(https://www.s-teck.jp/2022/04/07/tig%E6%BA%B6%E6%8E%A5%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%A0%BC%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/)
家庭用のTIG溶接機は、エントリーモデルであれば3〜5万円台から入手可能です。アルゴンガスのボンベレンタルと合わせた初期費用は5〜8万円ほどが目安です。
これは使えそうです。自宅でのリフォームDIYなら、資格なしで手すりや棚を自作できるうえ、業者に外注する費用(手すり1本あたり3〜10万円程度)を大幅に削減できます。
参考:TIG溶接の資格種類と必要な特別教育について詳しく解説されています(業務で溶接を始めたい方向け)
ティグ溶接とは、仕事として使用する際に必要となる資格について|小鶴工業
参考:TIG溶接とMIG溶接のコスト比較・現場での使い分けを職人目線で解説(業者選びの参考に)
TIG溶接とMIG溶接の違い|現場の職人がコスト・選び方を解説|テクノ創研