リフォームで長持ちするはずのABS樹脂パーツが、3年で黄ばみ・ひびに変わることがあります。
ABS樹脂は「アクリロニトリル(A)」「ブタジエン(B)」「スチレン(S)」という3種類のモノマーを共重合して作られる熱可塑性樹脂です。 それぞれの頭文字を並べて「ABS」と呼ばれています。 jp.meviy.misumi-ec(https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/howto/34988/)
この3成分の組み合わせが絶妙です。アクリロニトリルは硬さと耐熱性・耐薬品性を担い、ブタジエンはゴムのような柔軟性と耐衝撃性を加え、スチレンは表面の光沢と成形のしやすさを引き出します。 つまり「硬くて、衝撃に強く、見た目が美しい」という3拍子を一つの素材で実現しているということです。 housing-note(https://housing-note.jp/material/list/abs-resin/)
各成分の比率を変えることで特性を調整できます。 硬さを優先したいなら、アクリロニトリルの配合比率を高くするなど、用途に応じたカスタマイズが可能です。これは単一成分の樹脂にはない大きな強みです。 ken-it(https://ken-it.world/supporters/2022/11/abs%E6%A8%B9%E8%84%82%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%82%84%E7%94%A8%E9%80%94%E3%80%81%E9%A1%9E%E4%BC%BC%E7%B4%A0%E6%9D%90%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%82%92%E8%A7%A3.html)
リフォームで使われる建材を選ぶとき、素材の「中身」を知っておくと選択の精度が上がります。素材の成分から特性を理解できれば、後から「こんなはずじゃなかった」という失敗を防げます。
| 成分 | 英名 | 主な役割 |
|---|---|---|
| A:アクリロニトリル | Acrylonitrile | 硬さ・耐熱性・耐薬品性 |
| B:ブタジエン | Butadiene | 柔軟性・耐衝撃性(ゴム的性質) |
| S:スチレン | Styrene | 光沢・加工性・成形性 |
ABS樹脂の最大の特徴は、バランスの良い機械的特性です。 衝撃を吸収しながら形状を保つ能力が高く、日常的にぶつかったり押したりする住宅設備に向いています。 askk.co(https://www.askk.co.jp/contents/course/abs.html)
特性をリストにすると以下の通りです。
maekawakagaku.co(https://maekawakagaku.co.jp/blog/790/)
housing-note(https://housing-note.jp/material/list/abs-resin/)
cutpla(https://www.cutpla.com/abs-use.html)
これだけ揃っていれば選ばれるのも当然です。特に「加工しやすい」という特性は、リフォーム現場での施工コストの削減につながります。
現場で直接カットや調整がしやすい素材というのは、施工側にとっても施主側にとっても大きなメリットです。工期の短縮→人件費削減という流れが生まれやすいのです。
また、リフォームで特に使われるのがキッチンパネルや住宅設備機器のカバー類です。 表面が滑らかで汚れが落ちやすく、毎日使うキッチン周りのお手入れが楽になります。これは使えそうです。 housing-note(https://housing-note.jp/material/list/abs-resin/)
ABS樹脂が条件です、というわけではありませんが、内装の耐久性と美観を同時に求めるなら、有力な選択肢の一つになります。
参考:ABS樹脂の特徴・建材での使用箇所について詳しく解説しているページです。リフォーム素材の選定にも役立つ情報が掲載されています。
屋内でも、窓際で日光が当たり続けると3年程度で表面が黄変し、ひびが入ることがあります。 これはタバコのヤニのせいだと誤解されることがありますが、禁煙の部屋でも起こります。原因はブタジエン成分に含まれる分子鎖の二重結合が、紫外線によって切られるためです。 nature3d.thebase(https://nature3d.thebase.in/blog/2021/01/06/173050)
その他の弱点をリストにします。
ken-it(https://ken-it.world/supporters/2022/11/abs%E6%A8%B9%E8%84%82%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%82%84%E7%94%A8%E9%80%94%E3%80%81%E9%A1%9E%E4%BC%BC%E7%B4%A0%E6%9D%90%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%82%92%E8%A7%A3.html)
「屋外に使っても大丈夫では?」と思いがちですが、屋外は厳禁です。 強い紫外線に継続的にさらされると、数年で著しく劣化します。 cutpla(https://www.cutpla.com/abs-use.html)
リフォームで外壁まわりや屋外設備にABS樹脂製の部品を取り付けることを検討している場合、代わりにASA樹脂(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)を選ぶ手があります。 ASA樹脂はABS樹脂と特性が似ており、かつ紫外線耐性が大幅に向上しています。初期コストはやや高めですが、屋外用途ではASA樹脂が原則です。 settsu.co(https://www.settsu.co.jp/page/column_031)
紫外線に弱いという点だけは覚えておけばOKです。設置場所を選べば、ABS樹脂は非常にコストパフォーマンスの高い素材として機能します。
参考:ABS樹脂の紫外線劣化の仕組みと対策について、3Dプリント品を通じてわかりやすく解説しています。
ABS樹脂は「どこかで必ず使われている素材」と言っていいほど、住宅内に広く存在しています。 askk.co(https://www.askk.co.jp/contents/course/abs.html)
代表的な使用箇所は以下の通りです。
housing-note(https://housing-note.jp/material/list/abs-resin/)
cutpla(https://www.cutpla.com/abs-use.html)
nature3d.thebase(https://nature3d.thebase.in/blog/2021/01/06/173050)
これらはすべて屋内での使用が前提です。 リフォームで同等品に交換するとき「素材がABS樹脂かどうか」を確認すると、寿命の見通しが立てやすくなります。 cutpla(https://www.cutpla.com/abs-use.html)
素材への配慮が条件、というのは少し面倒に聞こえますが、実際に劣化してからパーツ交換する費用は数千円〜数万円になることもあります。日々のケアで避けられるコストは、積極的に避けたいところです。
リフォームや建材の選定では「ABS樹脂と他の樹脂のどちらを選ぶか」という場面が出てくることがあります。意外ですね、ABS樹脂が万能に見えても、代替素材が有利な場面は確実に存在します。
| 比較項目 | ABS樹脂 | ポリカーボネート(PC) | ASA樹脂 |
|---|---|---|---|
| 耐衝撃性 | 高い | 非常に高い | 高い |
| 耐熱性 | 80℃前後 | 120~130℃ | ABS並 |
| 耐候性(紫外線) | 弱い ❌ | やや弱い | 強い ✅ |
| 難燃性 | 低い(可燃性) | 自己消火性あり | ABS並 |
| アルカリ耐性 | 比較的強い ✅ | 弱い | ABS並 |
| コスト | 低め ✅ | 高め | やや高め |
| 加工性 | 非常に良い ✅ | 良い | 良い |
ポリカーボネートはABS樹脂より耐熱性・耐衝撃性・難燃性で上回りますが、アルカリには弱いという弱点があります。 一方、ABS樹脂は弱アルカリに対する耐性があるため、一部の洗剤環境では有利です。 ken-it(https://ken-it.world/supporters/2022/11/abs%E6%A8%B9%E8%84%82%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%82%84%E7%94%A8%E9%80%94%E3%80%81%E9%A1%9E%E4%BC%BC%E7%B4%A0%E6%9D%90%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%82%92%E8%A7%A3.html)
屋外設備や直射日光が当たる場所ならASA樹脂が原則です。コストが気になる場合は、ABS樹脂に紫外線吸収剤を配合した製品も存在します。 ただしその効果は永続せず、長期間紫外線を受けると吸収剤自体が劣化するため、定期確認が必要です。 nature3d.thebase(https://nature3d.thebase.in/blog/2021/01/06/173050)
建材の素材選びは「性能÷コスト÷設置環境」の3軸で考えると整理しやすいです。用途に合った素材を選ぶことが、リフォームの長期的な満足度に直結します。
参考:ASA樹脂とABS樹脂の違いを詳しく比較しており、屋外用途の素材選びに参考になります。
これはあまり表に出てこない話ですが、ABS樹脂パーツには明確な寿命の目安があります。屋内の通常使用であれば10〜15年程度は問題ないとされていますが、日当たりの良い窓際やキッチン周辺では、5〜7年程度で変色や光沢の劣化が始まることがあります。 cabinet-box(https://www.cabinet-box.jp/userfiles/2024.04.01pura_okugairekka.pdf)
交換のサインとして見るべき症状はこちらです。
黄変が軽度であれば、漂白処理や研磨で元の色に近い状態に戻すことが可能です。 ただしひびが入り始めたら、研磨での回復は難しく、早期交換が得策です。 nature3d.thebase(https://nature3d.thebase.in/blog/2021/01/06/173050)
「見た目の問題だから急がなくてもいい」と放置しがちです。しかし脆化が進んだABS樹脂は、台風などの外的衝撃で突然破損するリスクが高まります。 キッチンや洗面台のカバー類が破損した場合、水漏れや電気系統へのダメージにつながるケースもあるため、交換は早めに判断したいところです。 cabinet-box(https://www.cabinet-box.jp/userfiles/2024.04.01pura_okugairekka.pdf)
リフォームのタイミングで「以前取り付けたABS樹脂製のパーツを一緒に見直す」という視点を加えると、後から追加工事が必要になるリスクを下げられます。10年以上経過した住宅設備カバー類は、リフォーム計画に組み込むことを検討する価値があります。これは知っておくと得する情報です。
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